6月2日「利尻島一周悠遊覧人G」、心地よい好天のもとスタートすることができ、そしてドクターを要請するような大きな事故やケガもなく無事終了できたことを嬉しく思います。
スタートからおよそ14キロ地点の高校前で声をかけた生徒達は、幾分余裕で表情も明るく、「頑張りまーす!」「まだ大丈夫です!」と手を振りながら、力強く足を前に運んでいく姿を多数見ることができました。また、校内コンペを経て提供されたエイドドリンク「昆ポタージュ」も、「今年も楽しみにしてきたよ!」「頑張ってください!」等、一般ランナーの言葉掛けに、ボランティア生徒達が笑顔でもてなし交流する姿勢に、総探学習の取組基本方針のひとつである「~体験的で探究的な取組の中で、地域の人々との関わりを重視し~」の文言に足る態度だったと感心しました。
改めまして、本校の本教育活動に際し、今年度も多くのご支援賜りました実行委員会始め保護者・地域の皆様にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。
さて、標記の言葉、先日校内で実施された閉会式にてお話しさせてもらいました。出典はアフリカの諺らしいですが諸説あるようです。ノーベル平和賞授賞式でのアル・ゴア元米副大統領の演説や、岸田首相の所信表明演説等様々な場面で引用され、その意味するところの共感性は、洋の東西を問わず高いことが確認できます。直接的に今回のランニングにもあてはめることもできそうですが、この諺の解釈は様々な角度から可能なフレーズだなと思っています。
「ひとりで進んで早くいく」ことも、「みんなで進んで遠くまでいく」ことも、どちらにも意義があり、どちらが上とか下とかはないと思います。人生におけるあらゆる物事を推し進めていく上で、その求める成果の段階を表現しているのだと考えられます。例えば小さい単位で見ていくと、個人からスタートして友人グループや家庭、学校や会社組織、そして地方自治体から国家に至るまで、このフレーズにあてはめて鳥瞰することができそうです。では、それぞれの場合において「ひとりで進む」「みんなで進む」とは一体どういうことなのでしょうか。「早く行く」「遠くへ行く」とは何を指し示しているのでしょうか。そして、そもそもその目指す「行く先」はどこなの(何なの)でしょうか。
ひとつの視点として、「行く先」が進む努力の成果として「幸せ(豊かさ)」と捉えることができないでしょうか。短期的成果を求めるときは、自分(単数)が幸せになることをゴールとした働きかけとなりますし、長期的成果を求めるときは、自己のみならずみんな(複数)も幸せに(豊かに)なることがゴールになると考えられます。しかしその「みんな」がすべて、同じ価値観、同じ意見とは限りませんから、対話を重ねながら少しずつ擦り合わせていかなければならないことは想像に難くありません。さらに「遠く」というのはみんなが到達したい純度を高めた成果ということのみならず、今すぐには達成されない、時世的に現在から離れた未来のことだともイメージできます。
今年度、利尻高校の生徒・教職員の共通した行動規範を「自律」と「協働」としています。「自律」は自ら目標や課題を設定し、その言動の結果に価値や意義を見出すことです。「協働」は個々の意見を尊重しながら共通の目標・目的に向かう力動であることを意味します。この諺との互換性、親和性、符合性がとても高いと思っています。
今年の悠遊覧人Gで、生徒個々が得た経験、たくさんの方々と共有した学び、それらが新しい価値となって積み上がり、また「自律と協働」の意識向上につながっていくと信じています。
【6月の授業風景】
if you want to go fast, go alone, if you want to go far, go together.
欠席・遅刻に関する連絡は、安心メールにてご連絡ください。
詳細は以下の資料をご確認ください。
本校3年生長森朝君がデザイン・
製作を担当してくれました。
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