冬季休業明け集会にて(再構成)

  みなさん、おはようございます。

 冬季休業中、生徒及び職員のみなさんの、事故やケガ等の連絡もなく、安堵しています。どうでしょうか、充実した休業を過ごすことが出来たでしょうか。

  昨年末、テレビの音楽番組を見る機会が多くありました。その中で、2024年日本で「最も再生された曲ベスト3」何だかわかりますか。

 1位Creepy Nuts Bling-Bang-Bang-Born

 2位Mrs.GREEN APPLE ライラック

 3位Omoinotake 幾億光年

  その中でも私は、2位のMrs.GREEN APPLEが好きで、このライラックをよく聴いていました。知ってる方も多いと思いますが、ギターがリードする明るい曲調で、PVも学校を舞台としたキラキラした感じです。でも歌詞は決して「俺最高!」「俺イケてるー!」というものではありません。どちらかというと内省的で、ありのままの自分を受け入れる、「自己受容感」を大切にしている印象を受けます。

 最後の歌詞の部分も、

  割に合わない疵も

 認めてあげようぜ

 僕は僕自身を愛してる 愛せてる

 と結ばれ、ありのままを受け入れることの大切さを示しています。

  皆さんがよく聞く「自己肯定感」は、「私は価値がある」、「私はできる」、というポジティブな感情や評価を自分に持つことを目指しています。一方、自己受容感は、自分には良いところも悪いところもあるという、それをそのまま受け入れるという感情です。当然、それでいいんだとはなりません。良いところは伸ばそうと努力しますし、悪いところは改めようという意識になります。

 自己肯定感というのは、ややもすると、「出来た!」「成功した!」「褒められた!」という成果に左右されやすく、他者との比較に陥りやすい側面があります。

 この自己肯定感と自己受容感、大切なのはバランスだと思います。自己受容感を土台とした自己肯定感を高めること、これが重要なのかと思います。一時、何か失敗することがあって「もうダメだ」「私は最低」というような、自己の肯定が揺らぐ事象があったとしても、自分を見失うことなく、立ち上がることができるのが、自己受容の力じゃないかなと思います。

  自分の内面を見つめながら、他者ととも生きていくこと。今年度、私たち職員、生徒、全体での行動規範としている、【自律】と【協働】、とも親和性の高い価値感と捉えています。

 

 残り3ヶ月を切り、今年度のまとめの時期となりました。3年生は残り少ない高校生活となります。ちなみにこのライラックの花言葉は色によってまちまちですが「青春の喜び」「友情」「初恋」というのがあります。どうかみなさんの心のライラックを咲かせていってください・・・・(校長がキメ顔)

  今、「校長、なんかうまいこと言って、気持ちよくなってるわ」と思っている生徒さんがいたら、手を挙げてください・・・はい、今、手を挙げた人の顔、絶対忘れません、というのは冗談ですが、今私は、自分が「決まった!」、という自己肯定感を抱きました。手を挙げなかった人も含め、生徒のみなさんには、自分の言葉に酔ってるという印象で逆効果になる、という事実を目の前に、それを受け入れようという自己受容感も同時に抱いています。

 

 風邪や感染症も流行っています。どうぞ、健康管理を十分にし、後期の後半、勉強や学校活動に取り組んでください。

 

 【冬季休業明け初日のRising Sun Rishiri】

 
令和7年1月20日

北海道利尻高等学校長 小 林 洋 介